サンディエゴ:レーストラック解説

2017シーズン第2戦のレーストラックの特徴をレースディレクターが解説する

Back in San Diego

Red Bull Air Race World Championshipを戦うパイロットたちは第2戦サンディエゴで2017シーズンに弾みをつけようとしており、予選と決勝レースに向けてレーストラックはもちろん、天候などの各種変動要素なども細かくシミュレーションしている。今回は、彼らが挑むサンディエゴのレーストラックの特徴について、Red Bull Air Raceのレースディレクター、スティーブ・ジョーンズに解説してもらった。

ジョーンズは現役だった2007シーズンと2008シーズンにサンディエゴでのレースを経験しているため、現地に関する知識を十分備えているが、サンディエゴの第1の特徴はコンディションにあるとしている。「太平洋岸は天候が非常に変わりやすい。また、沖を流れる冷たい海流の影響でマリン・レイヤーと呼ばれる低温高湿の空気層が存在する。この霧のような空気層が沿岸部へ流れ込めば、レーストラックを覆ってしまう可能性がある。過去のレースでは、レーストラックの付近まで霧が流れ込んできたものの、完全に覆われてしまったことはなかった。今回もその程度で済むことを祈っている」

Red Bull Air Raceの運営チームは、天気予報や大気関係の情報を大量に入手できる。サンディエゴのレーストラック付近に位置する2つの空港と米国海軍飛行場から情報を提供してもらえるからだ。また、ジョーンズと共にレースディレクターを務めるジム・ディマッテオはサンディエゴ在住のため、現地のコンディションを熟知している。ジョーンズが続ける。「レーストラックはサンディエゴ湾上に位置するため、レースは風に大きく左右される。外洋が非常に近いため、風が安定する可能性は低いが、風が海側から吹く場合、レーストラックはスムースなコンディションになるだろう。逆に、陸側から吹く場合はアブダビと同様、ビル群が乱気流を生み出すはずだ」

レーストラックの特徴

サンディエゴのレーストラックは1ラップに15のエアゲートが設置されており、タイトな180°ターンとバーチカルターンが両端に位置している。シンプルな高速レーストラックに見えるが、このレーストラックの面白さはそこにある。「シンプルなレーストラックだが、それゆえにパイロットはパーフェクトなフライトしなければ勝てない。小さなミスをひとつでも犯せば、レースから脱落してしまう」とジョーンズは語る。

スタートゲートを通過したパイロットはシケインを抜けて180°ターンへ向かうが、180°ターンの途中にはゲート3が存在するため、ウイングを水平に戻す必要がある。ジョーンズが続ける。「180°ターンのライン取りがタイムを大きく左右することになるだろう」

そして、180°ターンの直後のゲート4でウイングを再度水平に戻したパイロットが次に迎えるのがシングルパイロンのゲート5だ。ジョーンズが説明する。「ここも問題になる可能性がある。直後に待ち構えるゲート6への進入を考えるとゲート5はできるだけ機体を寄せて通過する必要があるが、近づき過ぎればペナルティを受けてしまう」

ゲート6を通過したパイロットは、ゲート7のバーチカルターンに向けて機体の姿勢を整えていく。セーフティラインが設定された "ジャッジゲート" となるゲート7では、ゲート8(スタート / フィニッシュゲート)へのターンを開始する前に機体を垂直状態に持っていく必要がある。ターン前に機体を垂直にできなければ、「不正バーチカルターン」として1秒のペナルティが科せられる。そして、このバーチカルターンをクリアしてスタート / フィニッシュゲートを通過すれば1ラップ終了となり、パイロットたちは2ラップ目に突入していく。ジョーンズは次のように締めくくっている。「最後のバーチカルターンをパーフェクトにフライトしたパイロットが優勝を手にする可能性が高い。サンディエゴのレーストラックはシンプルだが、ペナルティの落とし穴が数多く存在する。しかし、素晴らしい会場なので最高のレースが展開されるだろう」

第2戦サンディエゴは4月15日(予選)・16日(決勝)に開催予定。当日のレースの模様は本サイトとRed Bull TVでもライブ配信される。

 

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